返金したのに「適正」? 加須市長選立候補予定者・高橋氏の説明に残る大きな矛盾

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住民監査請求後に政務活動費を返金。では、その支出は適正だったのか?

高橋としひろ氏への公開質問と、その回答から見えてきたこと

令和8年1月6日付で、埼玉県に対し、高橋としひろ氏の令和5年および令和6年の政務活動費に関する住民監査請求が行われました。

その後、令和8年1月21日付で、自民党埼玉県議団の政務活動費収支報告書において、当初計上されていた支出の一部が削除・訂正されていることが確認されました。

私は、この訂正が、住民監査請求で指摘された支出に対応するものではないかと考え、高橋氏に公開質問を行いました。

今回の記事では、そのやり取りを踏まえながら、何が明らかになり、何がなお説明されていないのかを整理したいと思います。

実際のやり取りはコチラからご確認ください。

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まず確認できたこと

今回のやり取りの中で、高橋氏は、これまで各期において政務活動費は「使い切っていた」と説明しています。

こちらが
「600万円以上の領収書を提出していたということですか?」
と確認したところ、これに対しては「はい」と回答しています。

また、600万円を超えた部分については、自身の持ち出しであったとも説明しています。

さらに、今回問題となった支出については、県議団から返金を求められたのではなく、高橋氏自身の判断で返金したという趣旨の説明もありました。

ここは重要な点です。
つまり、高橋氏の説明によれば、今回の返金は「指示されたから返した」のではなく、「自ら返した」ということになります。


しかし、そこで生じる大きな疑問

ここで、極めて素朴で重要な疑問が生じます。

高橋氏は、今回の支出について、本当に政務活動費として適正だったと考えているのか。

なぜなら、高橋氏の説明は、以下の趣旨として読み取れます。

  • 政務活動費として必要な支出だったという認識はある
  • しかし、その支出については返金した

これは、やはり筋が通りにくい。

本当に適正な支出だったのであれば、なぜ返金したのか。
逆に、返金したということは、不適切な支出だったと受け止めたからではないのか。

高橋氏は、返金した理由について、
「離団した身であり、疑義がある以上、いらぬ迷惑を回避したくなかった」
という趣旨の説明をしています。

しかし、これは“返金した理由”の説明にはなっても、その支出が適正だったのか不適切だったのかという核心への説明にはなっていません。

今回、本当に問われているのはそこです。


「返金したが、適正だと思っている」では説明にならない

今回の件で最も重要なのは、単に返金の有無ではありません。

問われているのは、

  • その支出は本来、政務活動費として認められるものだったのか
  • そうであるなら、なぜ返金したのか
  • そうでないなら、なぜ当初は計上していたのか

ということです。

高橋氏の説明は、この核心部分を曖昧にしたまま、
「疑義があるので返した」
という方向で整理しようとしているように見えます。

しかし、有権者が知りたいのは、
“疑義があるから返した”という感想ではなく、支出の適否そのものです。

適正だったのか。
不適切だったのか。
そこをはっきりさせなければ、説明責任を果たしたとは言えません。


ホームページ制作費・管理費の説明も極めて弱い

今回の質問では、政務活動費の広報費として計上されていた

  • ホームページ制作費
  • ホームページ管理費

についても確認を行いました。

これに対し、高橋氏は、

  • リニューアル自体は完了していた
  • しかし十分な更新体制を整えられず
  • 結果として長期間公開に至らなかった
  • 現在は公開に向けて準備を進めている

という趣旨の説明をしています。

しかし、これもやはり説明としては不十分です。

なぜなら、こちらが問題にしているのは、
「公開できなかった事情」ではなく、
政務活動費を使って制作・管理したとされるホームページに、どのような実体があったのか
だからです。

しかも、ホームページ管理料は毎月計上されていました。
さらに、令和6年8月にはホームページ制作費として77,000円が計上されています。

それにもかかわらず、長期間にわたって公開されていないのであれば、

  • 何を制作したのか
  • 何を管理していたのか
  • 作業完了報告や成果物はあるのか
  • サーバー上のデータやバックアップは存在するのか

といった具体的な説明が必要です。

「リニューアルしていた」
「準備していた」
という言葉だけでは、支出の実体説明にはなりません。


SNS動画は本当に「県政の調査研究に資する」のか

今回、もう一つ大きな論点となっているのが、InstagramやTikTokなどのSNS動画に関する支出です。

政務活動費は、税金です。
当然、何に使ってもよいわけではありません。
県政に関する調査研究や、それに関連する活動として妥当である必要があります。

しかし、実際に制作されていた動画の中には、

  • 県政に関係ないクイズ
  • 時事問題クイズ
  • 政治家当てクイズ

なども含まれていました。

こうした動画について、本当に県政における議員の調査研究に資するものなのか。
政務活動費を使って制作することが妥当なのか。

この点について高橋氏は、必要性についての認識は示しているものの、なぜそれが政務活動費として認められるのかという具体的な説明はしていません。

ここでもまた、
「必要だと思っている」
という感想と、
「税金を使った支出として妥当である」
という説明が混同されています。

必要だと思うことと、税金から支出してよいことは、同じではありません。


最後まで核心には答えなかった

やり取り全体を通して感じたのは、高橋氏が一部の事実は認めつつも、核心にあたる部分については、最後まで明確な説明を避けていたということです。

特に説明されていないのは、次の3点です。

1. 返金した支出は適正だったのか、不適切だったのか

これが最重要です。
返金した事実はあっても、肝心の評価が示されていません。

2. ホームページ支出の実体は何だったのか

長期間公開されていないにもかかわらず、制作費や管理費が計上されていた理由について、具体的な証拠を伴う説明がありません。

3. SNS動画支出がなぜ政務活動費として妥当なのか

必要性の感想は述べられても、税金支出としての妥当性は説明されていません。

そして最後は、
「これ以上は内部の話になりそうなので」
「説明を尽くしますね」
といった形で、やり取りは打ち切られました。

しかし、有権者が知りたいのは、内部事情ではありません。
公金を使った支出が適正だったのかどうかです。


問われているのは「返したかどうか」ではなく「説明責任を果たしたかどうか」

今回の件で大事なのは、単に「返金したから終わり」という話ではないということです。

むしろ、返金したのであればなおさら、

  • なぜ返金したのか
  • そもそもなぜ当初は計上していたのか
  • 適正支出だったのか、不適切支出だったのか

を説明しなければなりません。

住民監査請求が出て、収支報告書が修正され、返金もされた。
それでもなお、「支出としては適正だった」というような態度を取るのであれば、そこには重大な矛盾があります。

そして、その矛盾について、いまだ十分な説明はなされていません。


最後に

税金の使い道に疑義が生じた。
その後、報告書が修正された。
返金もされた。
であるならば、県民・有権者に対して、きちんと説明する責任があります。

それは、政治家として当然のことです。

問われているのは、言い訳のうまさではありません。
形式を整えることでもありません。

その支出は本当に適正だったのか。
なぜ返金したのか。
そして、そのことを有権者にどう説明するのか。

この3点です。

今回のやり取りを見る限り、その説明はまだ十分だとは到底言えません。

今後もこの点については、曖昧なまま終わらせず、引き続き注視していきたいと思います。

果てして、市長選に立候補を表明している政治家が、自分の公金の使い方に対して説明責任を果たさず、800億円以上の公金に対する責任や覚悟があると言えるのでしょうか。

 

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