保育士不足に具体策を。年間576万円の支援と、その財源まで提案しました【加須市議会】

活動報告

保育士確保に年間396万円。その財源、本当にありませんか?

9月15日の一般質問では、保育所の事故対応、保留児童・待機児童、保育士確保策、そして新型コロナワクチン接種事業について質問しました。

「保育の話から、なぜワクチン?」

と思うかもしれません。

今回、私が伝えたかったのは、

子どもの安全を守るにも、保育所の受入枠を増やすにも、保育士が必要。そのための待遇改善を、必要な予算と財源の見直し案まで示して提案する。

ということです。


子どもがけがをしたとき、必要な対応を取れる体制か

令和8年4月、市立保育所で2歳の子どもが椅子から転倒し、左手の小指を骨折・裂傷する事故がありました。

園では止血処置を行い、保護者に迎えと受診を依頼しましたが、結果として縫合処置が必要となり、全治2か月と診断されました。

この際、保護者にはその緊急性が伝わっておらず、不信感を与えてしまったとのことです。

そこで、事故が起きたときの対応を確認しました。

宮代)
「今回の事故を受け、どのような課題を認識し、どのような再発防止策を講じたのか伺います。」

こども局長)
「保護者への伝え方については受診の必要性と緊急度について、より明確に具体的に伝えることを改めて現場の職員に共有いたしました。さらに、緊急要請を躊躇しないよう、職員に指示をいたしました。」

宮代)
「「少しでも心配があれば救急車を呼ぶ」という抽象的な方針では、今後の同様な事案について判断の迷いを防げるのか疑問が残ります。現在、公立保育所における基本的な対応は保護者にお迎えを依頼する方法と、救急車を要請するという2つの対応体制だと伺っておりますが、いかがでしょうか。」

こども局長)
「基本的には保護者か救急車です。ただし、個別の事案に応じて、タクシーを利用して保育者が医療機関まで付き添い、医療機関で保護者へ引継ぎをする対応をとる場合もあります。直近ではR5年に1件と、R7年に1件ありました。」

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つまり、職員が病院へ連れていく対応も、可能ではあるということです。

では、今回なぜその対応を取らなかったのか。そもそも当日の職員は、その選択肢を認識していたのか。

ここは、引き続き確認が必要です。

そして、職員が同行するなら、園に残る子どもたちの保育を担う職員も必要になります。

宮代)
「基本的な対応は保護者への依頼と救急要請、場合によってはタクシー等で保育者が同行をする運用があると理解しました。しかし、今回の件を含め、保育者が同行をするという選択肢がどれだけ取りやすい体制であったのかは疑問です。この第三の選択肢として「保育者の同行」を無理なくとれるように人員配置を含め体制を整備すべきと考えますが、市長の見解を伺います。

高橋市長(自民党))
「職員を増員できれば理想的ですが、何人いれば万全とは言えません。現在の人員配置の中で、判断に迷う場合は救急要請を躊躇なく行うことが重要だと考えます。」

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「迷ったときに救急要請する」とは言いますが「迷う」は人それぞれ感覚が違います。

「絶対大丈夫」と医療者ではない人間が言い切れる程度ならいいと思いますが、「多分大丈夫」「様子見しよう」などの場合には判断に迷いが出るのではないでしょうか。

例えば前日に救急車を呼んで全く問題なかった。次の日も全く同じような事故があったら「昨日も呼んで大丈夫だったしな」と素人判断がでないでしょうか?

救急車を呼ぶのは一定程度、心理的ハードルがあります。

必ずしも保護者がすぐに迎えに来られるわけでもありません。

そんな時に子どものことを最優先に考えるのであれば、保育者が速やかに病院へ連れて行く。そのためにも人員を確保する必要があるのではないか?と私は思います。

そもそも保育現場は保育士不足が深刻です。現状、加須市内の保育所で平均3.7人を基準よりも余分に、そして保育所が独自の予算で雇っています。

「待機児童ゼロ」でも、入所できていない子どもは83人

人員の問題は、事故対応だけではありません。保育所の受入枠にも関係します。

令和8年4月1日時点の状況を確認すると、

こども局長)
「待機児童数は0人です。入所が保留となっている、いわゆる保留児童数は83人です。」

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という答弁でした。

そのうち、「特定の保育所を希望している」として分類された子どもは36人です。

宮代)
「確認ですが、現在も、保護者の居住地、交通手段、通勤経路、送迎時間などにかかわらず、市内すべての保育施設を一律に通園可能としているのでしょうか?」

こども局長)
「市内全域を通園可能な範囲として取り扱っています。」

宮代)
「それぞれの家庭が実際に利用できる施設を確認し、個別に案内して、保護者の意向を記録しているのでしょうか?」

こども局長)
「限られた期間の中で、一人一人の事情を考慮した案内は難しいため、全員に市内すべての施設の空き情報を提供しています。個別の相談には対応していますが、案内内容等の記録は取っていません。」

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市内のどこかに空きがあることと、その家庭が実際に通えることは別です。

車を使えるか。職場はどこか。開所時間に間に合うか。物理的に送迎できる距離なのか。

そこを十分に確認できていないのであれば、「待機児童ゼロ」という数字だけで、困っている家庭がいないとは言えません。

そもそも国の要項でも「物理的に通える範囲が利用可能な保育所であり、それらを個別に確認を行うことを基本」としています。

なので「市内全域を利用可能な保育所」も「個別の情報提供や確認をしない」も要項に沿っていません。

「相談してきたら対応する」と市は言いますが、通常は通える範囲を自分で調べて、そこを希望します。すべて落ちたら2次募集などは申請しません。なぜなら1次募集で通える園を申請しているからです。

さらに、施設の定員と、実際に受け入れられる人数についても確認しました。

答弁では、利用定員は合計2,220人、実際の受入可能人数は2,065人。その差は155人です。

宮代)
「定員と実際の受入可能人数に差がある理由は、保育士不足なのでしょうか?」

こども局長)
「正確な細かい内容は把握しておりませんが、保育士不足が大きな理由であると考えています。」

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155人分すべての原因が保育士不足だと確認できたわけではありません。しかし、市も人材不足が大きな要因だと認識しています。

市長からは、きょうだいで同じ施設を利用する場合や、市内在住者を優先するため、入所基準を見直すとの説明がありました。

家庭の事情に配慮することは大切です。ただ、入所の優先順位を変えるだけでは、受入枠そのものは増えません。

受け皿を増やすためにも、保育士の確保が必要です。

「国の基準より多い」から、余裕があるわけではない

過去の答弁では、市内保育施設は、国の配置基準より施設平均で約3.7人多く保育士を配置しているとのことでした。

しかし、休暇、休憩、研修、延長保育、配慮が必要な子どもへの対応、そして緊急対応。日々の保育には、さまざまな業務があります。

宮代)
「国の基準を平均約3.7人上回る配置を、園が独自の予算で雇っていますが、これを余裕のある配置と考えていますか?それとも、安定した保育運営に必要な人員と考えていますか?」

こども局長)
「安定的で質の高い保育運営に必要な人員配置であると認識しています。一方、施設の経営や人材確保の面から、余裕を持って保育士を雇用することは困難な現実があります。」

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市も、現状の配置は必要な人員だと認めています。

であれば、その人員を継続して確保できるよう、市としても支える必要があるはずです。

月1,000円の上乗せ。必要な追加予算は年間396万円

加須市は令和7年度、民間保育施設の常勤職員に対する市独自の処遇改善補助を、年額9,000円から6万円へ増額しました。

月額換算では、750円から5,000円です。この増額は評価しています。

増額の背景には、市が比較に用いた市内民間保育施設の初任給平均253万7,000円と、国の統計による比較対象の平均年収260万円との間に、6万3,000円の差があったことがあります。

私は、加須市で働き、働き続けてもらうため、さらに処遇改善を進めるべきだと提案しました。

宮代)
「補助をさらに月1,000円増やし、月6,000円、年7万2,000円としてはどうでしょうか。対象者330人を前提とすると、追加予算は年間396万円です。」

高橋市長(自民党))
「まずは国の制度によって改善されるべきものと考えます。引き続き国に働きかけます。また、市はすでに補助を増額しており、これは近隣自治体と比べた加須市の優位性です。今後は制度のPRに注力します。」

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国に改善を求めることも、制度を周知することも必要です。

その上で、私が提案したのは、

330人 × 月1,000円 × 12か月 = 年間396万円。

この追加支援です。

もちろん、月1,000円ですべてが解決するとは思っていません。それでも、待遇を改善する具体的な一歩にはなります。

今回、追加の増額について、具体的な約束は得られませんでした。

しかし、「引き続き国に働きかける」とのことなので、定期的に確認をしていきたいと思います。

3年間で利用者1人。制度の効果も確認してほしい

保育士の奨学金返済支援事業についても質問しました。

年間18万円を上限に、最大5年間支援する制度ですが、開始から3年間の利用者は実人数で1人です。

宮代)
「この制度が、市内の施設への就職を決める際に、どの程度影響したのか。本人や勤務先に確認していますか?」

こども局長)
「確認は行っていません。ただ、利用者が1名おり、令和8年度には2件の問い合わせもあるため、就職決定の一助になっていると捉えています。」

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1人の経済的な負担を軽減できたことには、意義があります。

ただし、保育士確保を目的とするなら、就職や定着にどうつながったのかも確認すべきではないでしょうか。

さらに、現在の「過去に保育士として勤務経験がない」という条件では、一度現場を離れた保育士の復職に使えません。これは過去に角田前市長にも問いかけ、「対象拡大と条件緩和は検討する」と答弁をもらっていたので確認をしました。

宮代)
「角田前市長の「対象拡大と条件緩和を検討する」という答弁のあと、どのような検討がありましたか?

こども局長)
「検討した結果、このままの周知活動の強化でいくと判断をしました。」

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本当に検討をしたのか正直、疑います。

周知活動を強化と言いながら、この事業がどのような効果があったのかも確認すらしてません。質問通告しているんですから、その後でも本人に「この制度知ってた?」と一本連絡すればわかることです。それすらもしていませんからね。

宮代)
「潜在保育士がこの制度を利用できるように条件を緩和することについて、市長の見解を伺います。」

高橋市長(自民党))
「潜在保育士の復職を促すのは保育士確保における重要な政策であると認識しており、検討して参りたいと考えております。」

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ここは、対象拡大を検討するとの答弁がありました。今後、具体的にどう検討したかを確認していきます。

仮に新たに10人へ年間上限18万円を支援しても、給付額は年間最大180万円です。

今のままではほぼ効果はありません。本当にこの政策を効果的に維持したいなら180万円くらいの予算は簡単に捻出可能です。

宮代提案の予算はここから捻出できるのでは?

ここで、新型コロナワクチン接種事業の話につながります。

現在は(ワクチン代)=(接種者の実費)+(市の補助)となっています。

私はこの公費負担分をすべてなくすべきだとは言っていません。

一方で、市が負担する金額は自治体によって異なります。

私が調べた令和7年度の埼玉県内の自己負担額の中央値は、約1万1,300円。加須市は9,300円です。

差は、1人当たり2,000円です。

宮代)
「今後も同程度の公費負担を継続する考えなのか。また、その判断に当たり、接種状況、有効性、安全性並びに国及び他自治体の動向をどのように考慮するのか、市長の見解を伺います。」

高橋市長(自民党))
「国が有効性・安全性についての知見を示しており、地方公共団体が各々で判断できるものではございません。国の知見に変更もなく、現在の公費負担額を変更する考えはありません。」

また、部長答弁でも

健康スポーツ部長)
「本年4月20日に開催された会議において、新型コロナウイルスワクチンの副反応疑い報告の状況を確認し、安全性に関する重大な懸念は認められないと判断したと報告をされております。」

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「国が有効性や安全性を評価している」「重大な懸念は認められない」と国が判断をしているからとのこと。私はまともなデータを取っているとは思えないですし、まともな評価ができているとは思えないです。

そして市は国の発表を鵜呑みにして従うという判断をしているようです。

「各自治体が各々で判断できるものではない」とのことですが、そんなことはありません。

そもそも、国と地方自治体は上下関係ではなく、対等・協力の関係にあります。

地方自治法第1条の2では、地方自治体は住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域の行政を自主的に実施する役割を担うと定められています。

もちろん、ワクチンの有効性や安全性について、専門的な知見を持つ国の機関が評価することは必要です。

しかし、「国が安全だと言っているから、市としては判断しません」というのは、話が違うのではないでしょうか。

国の評価を参考にすることと、国の評価を無条件に受け入れることは別問題です。

市が実施する予防接種事業である以上、国がどのようなデータに基づいて評価しているのか、その評価にどのような限界があるのか、市としても確認する必要があるはずです。

そして、国の判断に疑問があれば、国に説明や追加の調査を求めることだってできるはずです。

国が判断したから、自治体は何も考えなくていい。

そんなことになれば、地方自治体は国の単なる下請け機関になってしまいます。

私は、市が独自にワクチンの医学的な安全性を証明しろと言っているわけではありません。

市民の健康に関わる事業を実施する自治体として、国の説明を理解し、その根拠を確認し、自らの責任で事業の妥当性を説明してほしい。

そう考えています。

宮代)
「自己負担額を県内中央値と同程度に見直し、市負担を2,000円減らすと、令和8年度の見込み9,919人を前提に、年間約1,984万円の市費を減らせる計算です。保育士への月1,000円の追加補助は年間約396万円、奨学金返済支援の対象を10人拡大しても180万円です。こうした施策と比較して、現在の公費負担を維持する理由は何でしょうか?」

高橋市長(自民党))
「すべての市民の命と健康を守ることは市政の最上位事項と考えております。見込み接種者数をどう見るかということはございます。ですが、現状、新型コロナ感染症予防接種も同様であり、当時の惨状思い出すと縮小することは考えておりません。」

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命と健康を守ることが重要なのは、私も同じです。

しかし、コロナやそのワクチンを含め、世界では様々な議論が起きています。

そして私は日本の調査や説明では納得はできません。

そのような様々な議論がある中で、首長として自らが考え判断をするのではなく、国の方針を鵜呑みにし、全幅の信頼を寄せて良いのでしょうか。

もう一度言いますが、全額自己負担にしろとは言っていません。中央値よりも高く市が負担をする必要が本当にあるのか?です。

そもそも、見込み人数は適切なのか

さらに、助成額を変更する以前に、予算の見積りにも疑問があります。

年度 接種見込み人数 実際の接種者数
令和6年度 20,000人 8,406人
令和7年度 12,826人 2,087人
令和8年度 9,919人 年度途中

令和7年度は、見込み12,826人に対して実績2,087人。

その翌年度に、実績の約4.8倍となる9,919人を見込んでいます。

なぜ、そこまで増えると見込んだのでしょうか。

今回は時間が無く再質問はできませんでした。なのでこの算出根拠は明らかになっていません。

参考に、1人当たりの市負担6,300円を単純に掛けると、

  • 9,919人の場合:約6,249万円
  • 2,087人の場合:約1,315万円
  • 差額:約4,934万円

となります。

これは実際の予算総額や必要額を確定する計算ではありません。前年度と同じ人数になると決めつけることもできません。

ただ、この見込み人数の差だけで、数千万円規模の市費に影響するということです。

予算編成時点で把握できた実績や、自己負担額の変更による影響を、どう見込みに反映したのか。必要な余裕をどの程度見ているのか。

その根拠を確認する必要があります。

合理的な根拠があれば説明してほしい。過大な見積りなら、見直して他の施策へ配分してほしいと思います。

「必要です」で終わらせず、実現する方法まで

今回の質問では、保育現場の課題を示し、人材確保の必要性を確認した上で、具体的な支援額と財源の見直し案まで提案しました。

事故のときに、必要な対応を取れること。

保育を必要とする家庭が、実際に通える施設を利用できること。

保育士が、安心して働き続けられること。

これらを支えるには、人が必要です。

市長は、保育料無償化を公約に掲げています。無償化された場合、保育ニーズは高まることが予想されます。その上で、現在の保育士確保策だけで課題が完全に解消されるものではないとも答弁しています。

であれば、最低でも次の手を具体化してほしい。

保育士への月1,000円の上乗せに、年間396万円。

潜在保育士も使える奨学金返済支援10人分として180万円。

それらの財源を確保するために、既存事業の見積りや配分を見直す余地は、本当にないのでしょうか。

私には、十分に検討できる余地があると考えています。

限られた財源だからこそ、必要なところに予算を回す。その判断と、具体的な行動を今後も求めていきます。

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加須市議会議員
はじめの一歩会 宮代翔太

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