最近、母親による虐待で子どもが亡くなるというショッキングなニュースがありました。
私はSNSでこのニュースを見たのですが、そのコメント欄には「最低、人としてありえない」「2歳なんて一番かわいい時期」「こんな母親は死刑が妥当」等々、本当に色々な事が書かれていました。
人は何か事件があった時に、その原因をその人の人格や性格に紐づけようとする心理的傾向があり、これを心理学では「基本的な帰属のエラー」と言います。(帰属とは「原因はこれ」と決めることです)
原因は大きく分けて内的要因と外的要因の2つです。
内的が【人格】、外的が【環境】です。
帰属のエラーが起こると
「虐待をする原因は母親にあるから、そいつを排除しよう!」とみんなで袋叩きにします。
しかし、その母親を排除してもまた別の虐待事件が起きます。なぜなら問題の本質が改善されていないからです。
母親が虐待を起こす原因は「環境にある」とするとどんな事が考えられるか。
例えば、育児の知識もなく、相談する相手もいなかった。手伝ってくれる人がいなかった。お金に困っていた。夫からハラスメントを受けていた。等々。
様々な原因が考えられ、事件に至る母親の心理を考えることができます。
そして環境に原因があるとすれば、それはみんなで変えることができます。
例えば兵庫県明石市が無料おむつの定期便を行っていますが、それはただおむつをあげる支援ではありません。見守り支援員が訪問して手渡しをすることで親子の様子を見ること、定期的に相談をする機会を設けるために行っています。子育てを孤独にしないためのシステムです。
そうやって環境に原因を求め、それをひとつずつ潰していくことが本質的な解決につながります。
追い詰められれば正常な判断はできません。誰がいつどこで加害者になるかわからないのです。
決して他人事ではなく、みんなで解決をしていきたいと思いますし、気軽に助けを求められる環境にしていきたいと思います。
ちょっと暗い話になってしまったので、私の子どもの頃の写真を置いておきますね。
ぜひお納めください。わら