こどもとのおしゃべりって面白いですよね。
1.2歳児だと言葉にならない言葉(でも伝えたい言葉はある)を一生懸命発してみたり、
3.4歳とかだと、語彙も増えて、感じたこと思ったこと、体験したこと、出来事全てを嬉しそうに教えてくれます。控えめに言って最高ですよね。
そんなかわいい姿の中に必ずあるのが“言い間違い”です。
そのつたない感じがまたかわいいんですよね。
そして言い間違いに対しての一般的な考え方は、
「そのまま覚えると困るから、正しい言葉、使い方を教えるのは大事」です。
その考え自体は悪くはないのですが、これ結構危険です。
もうみなさんは大人なので、子どもの頃の気持ちは忘れている人がほとんどだと思います。
なので、今のみなさんの体験に近い話をします。
もし、家族やパートナーなどと楽しくおしゃべりをしている時に、
「なにその言葉、そんなのないよ。違うよ。〇〇だよ。んで何が言いたいの?」と
こんなことを言われたらどうでしょうか。
「明日もたくさんおしゃべりしたい!!」となりますでしょうか。
これは子どもも同じです。
一つ一つ話を遮られて、間違いを指摘される。それを繰り返されると間違えることや、指摘をされることが嫌で話をすることをやめるでしょう。
すると話す機会が減少します。その結果、語彙や話をまとめる力、伝える力、その他諸々が育たないでしょう。
そして周りの人が成長する中で、話す機会が回ってきたときに自分のダメさがより際立って消極的になる。
このネガティブループに陥ります。
ではどうすればいいのか。
発達の視点から説明をします。
1.2歳の頃は大人の言葉を真似することでコミュニケーションを取ります。
「マンマ」「チョーダイ」 「カシテ」
そして口周りが発達途中なので、動かし方や発声の仕方など、繰り返し真似をして言えるようになります。
そうして一つ一つ覚えて言葉の数を増やしていくわけですね。
この時期に大切になってくるのが、正しい言語ではなく、「真似をしようとする“意欲”」です。
なので、この時期に否定をしながら正しい言葉を伝えようとすると、真似をする意欲が失われる危険性があります。発声すると否定をされ嫌な気分になるので、親の前で発声しなくなります。
そして3.4歳くらいになると、今までの蓄積した言葉を組み合わせ、自分の思いをより具体的に伝えていきます。語彙数も多くなるので、あやふやな言葉もありますし、言葉の組み合わせ、例えば接続詞などもおかしなことになります。
その時にバカにして笑ったり、否定の態度を取ったりすると、言い間違えることを「恥」として捉えます。
その結果、先ほどのネガティブループに入ります。
つまり、言い間違いが増えてきた時は、次の発達段階に入って新たな挑戦をしていると言えます。
ですがその挑戦を挫かれたらもう2度と挑戦しようという気は起きません。
お待たせしました。
それではここで具体的な対応方法についてです。
例えば、
「今日が保育園でお散歩いった」という場合は
「今日は保育園でお散歩に行ったのね。」と
笑顔で受け止め、正しい文章をオウム返ししてあげましょう。
(否定と捉えられないように間違いを強調するのはやめましょう)
(ちなみにこのオウム返しは、相手に話を聞いてもらえているという印象を与えます)
言葉の練習中の子は、
親「貸してだよ?」
子「だぁー!」
親「そう!“貸して”だね!」と
伝えようとする意欲を褒め、正しい言葉を提示してあげましょう。
最後に、
言い間違いをする期間は長くありません。
今のうちに思う存分受け入れて、
「かわいいなぁ」とたくさん聞いて抱きしめてあげてください。
以上、「子どもの言いまつがいには、いちいち指摘するな」でした。
ではまた!